No.1『Mad Max2』
「パニックの時代… 破れた夢… 荒野… だが、特に忘れられないのは― マックスという強い男【とその愛犬】だ」
前作のヒットを受け、約10倍の費用をかけて製作されたバイオレンス・アクション映画。
核戦争後の荒廃した世界や、モヒカンヘアーで暴れまわる暴走族などを描いた世界観は、1980年代全般のSF映画をはじめ、漫画『北斗の拳』など以降の多くの作品に影響を与えた。
前作の直後に世界大戦が勃発し、文明は崩壊した。戦争に伴う中東地域の油田破壊によって枯渇した石油を巡り、凶悪な暴走族が日夜争奪戦を繰り広げている。主人公マックスは、改造を施した愛車V8ブラック・インターセプターに乗り、相棒である犬と共に、暴走族を倒しては石油を奪い、荒野をあてもなく旅していた。放浪の中で出会ったジャイロ・キャプテンと名乗る男を連れたマックスは、付近を縄張りとする暴走族にたびたび襲撃されている石油精製所を発見する。精製所のリーダーであるパッパガーロは、ガソリンと引き換えに、石油を運び出すためのトレーラー探しをマックスに依頼。首尾良くこれに成功し製油所を後にするマックスだが、途中で暴走族に襲われ、重傷を負った上にインターセプターと犬を失う。駆けつけたジャイロ・キャプテンに救出され精製所で手当てを受けたマックスは、彼らが目指す「太陽の楽園」への脱出行の手助けを決意。暴走族との激しいチェイスが始まった。
意外とアッサリと死ぬ犬ではあるが、その存在感は非常に大きい。それは、もしかするとマックスが犬と共にドッグフードを食べるシーンが強烈な印象を与えているからかもしれない。
登場人物・キャスト
- マックス(メル・ギブソン)
- 前作から引き続く主人公。妻子を失い心を閉ざしている。水平二連のソードオフ・ショットガンを愛用。
- ジャイロ・キャプテン(ブルース・スペンス)
- 小型のオートジャイロに乗り砂漠をさすらう陽気な男。マックスに石油精製所の場所を教え、自身も暴走族との戦いに参加することとなる。
- フェラル・キッド(エミル・ミンティ)
- ブーメランを自在に操る野生児。親は分からず、言葉も話せないが、マックスに憧れを抱いている。
- ヒューマンガス(ケル・ニルソン)
- 精製所の石油をつけ狙う暴走族の首領。半裸で筋骨隆々、顔の全面を覆うフェイスガードを常に装着している。手下曰く「ロックンローラーのアヤトラ」。スコープ付きマグナムと実弾5発を所持。
- ウェズ・ジョーンズ(ヴァーノン・ウェルズ)
- 暴走族のナンバー2的存在の男。ヒューマンガスですら手を焼くほど凶暴な性格。初対面からマックスを異様に敵視している。
メル・ギブソンご紹介
アメリカ合衆国のニューヨーク州ピークスキル生まれの映画俳優、映画監督、脚本家、映画プロデューサー。身長175cm。
アメリカ生まれだが、父親の事業の失敗で1968年に家族でオーストラリアに移住した。11人兄弟で育つ。ジェフリー・ラッシュとは大学時代のルームメイトだという。ジュディ・デイヴィスらと共にオーストラリア国立演劇学院で学び、1979年にアクション映画『マッドマックス』の主役でスターの座をつかんだ。オーストラリア映画で活躍した後、1982年にアメリカ映画初出演。『リーサル・ウェポン』シリーズなどで人気を確たるものにした。監督業にも乗り出しており、1995年の『ブレイブハート』でアカデミー監督賞を受賞している。2004年には、私財30億円を投じてイエス・キリストの最期を描いた『パッション』を製作。作品への評価は賛否が分かれたが、興行的には空前の大ヒットなった。
しかし、2010年7月、下記の恋人に対するDV騒動によりハリウッド大手の「ウィリアム・モリス・エンデヴァー・エンターテイメント(WME)」はメルの代理人業を辞めることを発表。メルは事実上の解雇となった。また、この影響で予定されていた『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』への出演が中止になった。
歴史スペクタクルを監督する際は、あまり知られていない役者を起用し、当時使われていた言語や衣装、時代考察に徹底的にこだわって制作をすることで知られるが、そのこだわりは歴史的リアリティよりも彼の個人的なイデオロギーを表現することに注がれる。そのため、アポカリプトを製作した際は、マヤ文明の研究家や関係者から激しい非難を受けた。
エピソード
本作の大ヒットは、上記『北斗の拳』以外にも多方面に影響を与えた。例えば、アメリカのプロレスのタッグチーム「ロード・ウォリアーズ」は、本作の副題と世界観を踏襲して作られたユニットで、アメリカのみならず世界中で大人気となった。
アメリカ公開時のタイトルは、『Mad Max2』ではなく副題の『The Road Warrior』だった。当時のアメリカでは前作の知名度が低く、『マッドマックス』の続編という認識が成り立ちにくかったためである(オーストラリアでは初公開時から『Mad Max2』)。LD・DVD版は、ジャケットでは「MAD MAX 2」、本編フィルムでは「The Road Warrior」と表記されている。ブルーレイ版はこの逆である。
ブルーレイ版では、ウェズが腕に刺さった矢を引き抜くシーンが復活している。
舞台は前作のオーストラリアの片田舎から荒野に変わり、マックス以外の登場人物も全て一新。愛車のインターセプターを除くと、前作との関連性は皆無に近い。また、前作では当時のオーストラリアで社会問題となっていた暴走族の根絶というテーマを含有していたが、本作はより激しいカーチェイスを前面に押し出したアクション映画としての側面が強い。
本作はメル・ギブソンをスターに押し上げた作品だが、彼のセリフは劇中を通して17回しかない。
製作費は前作の約10倍だが、その大部分はマシーンの改造費に当てられていた。